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2011/08/19 『科学的とはどういう意味か』(本の紹介6)

今回紹介する本は、『科学的とはどういう意味か』(森博嗣, 幻冬舎新書, \798, 2011/6)です。「科学」という言葉がタイトルに入っている本としては、とても読みやすいものです。著者が伝えたいのは、個人レベルの「身を守る力」としての科学的な知識や考え方で、科学に拒絶反応を示していると損をしてしまうということですので、主旨はいたって単純明快です。理系以外の読者を想定してわかりやすく書かれていますが、理系の方が読んでも十分に楽しめます。


本書で唯一残念だったのは、「あとがき」の末尾に「本書は、3日間、計12時間で執筆したものである。」と書かれていたことでした。筆が速いのを自慢されているか、内容に不備があっても急いで書いたから仕方ありませんよと言っているのかは不明ですが、最後の最後にちょっとがっかりしてしまいました。

著者の森博嗣氏は、長く名古屋大学の建築学科で助教授をされていた方です。在職中に小説を書き始め、人気作家となり大学を退職されました。私(有原)は、森氏の小説は読んだことがありませんが、小説以外の著作は結構読んでいます。大学での経験や趣味の本格的な工作の話など、なかなか興味深いものが多いです。森氏のホームページ「森博嗣の浮遊工作室」も充実したコンテンツです。

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