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2011/11/13 『牛の文化史』(本の紹介21)

今回紹介するのは、『牛の文化史』(フロリアン・ヴェルナー著, 臼井隆一郎訳, 東洋書林, \3360, 2011/8)です。牛に興味のない方には、まったくお勧めできない本です。しかし、牛好きの方にはたまらない本で、かなりの読み応えがあるでしょう。



この本の帯には、「牛・牛・牛で犇く世界! 創世神話、芸術、牧畜、食肉、そして疾病・・・ この世はなんと、牛に満ちあふれていることか! 人類文明の伴侶の表象を辿った無類のヨーロッパ精神史」とありますが、上手にこの本の魅力をまとめていると思います。なお、「ひしめく」という漢字が「牛」という字を三つ組み合わせて「犇く」と書くのは面白いことだと思います。

本書は、多数の資料に基づいて書かれた牛の「文化史」に関する学術書と言ってよいものです。下記の目次にあるように、その内容は多岐に渡り、牛の存在がいかに深く人類の歴史に関わってきたことが理解できます。本文中の随所に挿入されている牛に関する資料(写真、絵画、イラストなど)が、本書の魅力をさらに高めています。

ご参考までに、本書の目次を以下に載せておきます。

  • 第1章 牛取引
  • 第2章 乳房と陰門
  • 第3章 肉と血
  • 第4章 ミルク
  • 第5章 皮と毛
  • 第6章 目
  • 第7章 反芻の幸福
  • 第8章 牛飼い
  • 第9章 「モー」
  • 第10章 柵の彼方
  • 第11章 聖なる牛
  • 第12章 邪悪なる牛
  • 第13章 世界終末の牛

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