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2012/04/26 『昆虫食入門』(本の紹介42)

以前、「昆虫を食べる」という記事で、ちょっとした昆虫食ブームの様子と関連書籍を紹介したことがありました。今回紹介するのは、『昆虫食入門』(内山昭一著, 平凡社新書, \882, 2012/4)というごく最近出版された本です。多少なりとも昆虫食に関心のある方には、入門書として最適な1冊でしょう。



昨年の暮れに中国を訪れた際に、北京中心部の王府井(ワンフーチン)の屋台で、串刺しにされた昆虫類がたくさん売られているのを目にしました(下写真)。王府井は、日本では「北京の銀座」と紹介されるような垢抜けた場所なので、ちょっとぎょっとしましたが、ぎょっとしたり興奮気味に写真を撮っていたのは外国人観光客(私も含めて)だけでした。

北京・王府井の屋台の様子(1)

北京・王府井の屋台の様子(2)

多くの日本人は昆虫食を敬遠しますが、昆虫は衛生的にも栄養的にも案外問題の少ない食品です。今回紹介した本は、入門書ながら昆虫食を多角的にとらえており、昆虫を食べるつもりがないという方にも興味深い内容かと思います。下にあげた目次からもわかるように、社会的・文化的背景から、栄養的価値や食料資源、さらには食育教材という観点からも昆虫食が論じられています。

  • 第1章 昆虫食の源流を探る
  • 第2章 食べられる昆虫プロフィール
  • 第3章 昆虫を食べる社会、食べない社会
  • 第4章 昆虫を食べる心理とその関心の多様性
  • 第5章 昆虫は本当においしいか
  • 第6章 健康食品としての昆虫食
  • 第7章 食料資源としての昆虫
  • 第8章 「食育」教材としての昆虫

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