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2012/09/26 『どこまでもやさしく牛を読む』(本の紹介63)

今回紹介するのは、『どこまでもやさしく牛を読む』(増田淳子著, 農林統計協会, \1890, 2011/4)という本です。著者は自身を素人と言われていますが、長年、NHKでディレクターやプロデューサーをされていた方で、適切な情報収集を経て作られた本です。本書の「はじめに」には、「牛に関係のある情報エッセイのつもり」とあります。随所に学術的な情報が盛り込まれているにもかかわらず、すらすらと読み進むことができる好著です。



本書の特徴として、牛が食べる餌に注目している点があげられます。草から始まり、飼料米、オカラなどのエコフィードまで展開しています。エコフィード(Ecofeed、食品循環資源利用飼料)は、米ぬかや調理くずなどの食品残渣を利用した家畜飼料です。農林水産省も2006年に「エコフィードの安全性確保に向けたガイドライン」を制定し、その普及を推進してきました。第5章のタイトルが「山あり、谷あり、エコフィード」となっているように、著者の思い入れの深さを感じさせます。牛乳やチーズといった生産物についての記述も、専門家顔負けのもので勉強になりました。

以下に本書の目次を載せておきます。

  • 第1章 ルーメンの不思議、牛の不思議
  • 第2章 草の牛
  • 第3章 牛がコメを食べる
  • 第4章 たかがオカラというけれど
  • 第5章 山あり、谷あり、エコフィード
  • 第6章 牛乳ざんまい
  • 第7章 永遠のチーズ元年

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