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2012/10/13 『マンガでわかる菌のふしぎ』(本の紹介65)

今回紹介するのは、『マンガでわかる菌のふしぎ』(中西貴之著, ソフトバンククリエイティブ, \1000, 2010/2)という本です。「肌をピカピカにして性別も決める細菌とは?火星由来の細菌があるってホント?」という少し長めの副題が付いています。本書は、ソフトバンク「サイエンス・アイ新書」シリーズの1冊です。新書版の科学啓蒙書といえば、講談社「ブルーバックス」が定番でしたが、2006年に発刊されたサイエンス・アイ新書も後発ながら健闘しています。



本書は、見開き2ページで1項目を解説しています(全90項目)。左ページに解説文、右ページにマンガという構成になっています。マンガというよりも、わかりやすいイラストといった方が適切な感じで、写真主体となっている項目も結構あります。無理にマンガで科学的テーマを解説している本がありますが、そういった嫌らしさはありません。各項目読み切り形式なので、パラパラとページをめくって、気になるマンガ(イラストや写真)が目に入ったところをつまみ食い的に読むこともできます。

著者の中西氏は総合化学メーカーで研究員をされている方で、かなり幅の広い著作を出されていますが、本来の専門は「応用微生物学」とのことです。本書も応用微生物学の範疇に入る環境、医薬品、エネルギー、食品などに関連する項目が多く取り入れられています。個人的には、第5章で腸内細菌やプロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌)がかなり詳しく解説されているところが好印象でした。

以下に本書の目次を載せておきます。

  • 第1章 生活環境の細菌
  • 第2章 海洋で生活する菌の神秘
  • 第3章 地殻内細菌は孤独ですごくて不思議
  • 第4章 宇宙も菌であふれているのか
  • 第5章 そして人体も菌であふれている

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