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2012/11/09 『ヨーグルトに隠された乳酸菌の秘密』(本の紹介70)

今回紹介するのは、『ヨーグルトに隠された乳酸菌の秘密』(光岡知足監修, 鏑木長夫著,共同通信社, \1260, 2012/10)という本です。この本の監修者である光岡知足先生(東京大学名誉教授)は、「腸内細菌学」という学問領域を創設されました。先生の腸内フローラと健康の関係についての研究成果は、乳酸菌やビフィズス菌を利用した多くの機能性食品の開発にもつながっています。今年82歳という年齢で、なおご活躍の様子には頭が下がります。



本書は、一般読者向きに平易に書かれていますので、特別な予備知識がなくても読み進むことができます。細菌についての入門的記述から始まり、腸内細菌と健康の関係を経て、ヨーグルトなど発酵乳の働きが解説されています。「免疫」関係に二つの章を設けているのも、本書の特徴と言えるでしょう。近年、乳酸菌やヨーグルトの摂取が、アレルギーやインフルエンザに有効だとする研究成果が注目されていますが、この作用は免疫機構を介したものです。付録の市販乳酸菌商品図録も、ヨーグルト選びに役立ちそうです。

以下に、本書の目次を載せておきます。

  • 第1章 一生続く細菌との共生・共存
  • 第2章 腸内細菌の世界
  • 第3章 日本人の健康状態と腸内フローラ
  • 第4章 世界の発酵食品
  • 第5章 ヨーグルトの栄養効果
  • 第6章 トクホとしての発酵乳
  • 第7章 乳酸菌とプロバイオティクス
  • 第8章 腸管免疫とヨーグルト
  • 第9章 乳酸菌・発酵乳に期待される免疫調節作用
  • 第10章 乳酸菌とバイオジェニックス
  • 付 録 市販されている乳酸菌商品図録

なお、ヨーグルトや乳酸菌・ビフィズス菌については、以下の「フード・ペプタイドトピックス」にも関連情報がありますので、こちらもご覧ください。

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